2026年10月23日
コマツ(社長:今吉 琢也 )は、このたび、チルトローテータの装着に対応した機械質量20トンクラスの油圧ショベル「PC200i-12チルトローテータ装着可能車」を発売しました。

【20トンクラスの油圧ショベル「PC200i-12チルトローテータ装着可能車」】
本機種は、2024年12月より日本、その後欧米や豪州に導入しているコマツ初のSDV(*1)油圧ショベル「PC200i-12」(*2)をベースに、チルトローテータの装着に対応するとともに、コマツ独自の3Dマシンコントロール(以下、3DMC)をチルトローテータ装着時にも利用できるよう開発したものです。
近年、建設現場における人手不足への対応や施工の生産性向上、安全性向上へのニーズを背景に、油圧ショベルの作業効率を高めるチルトローテータへの関心が世界的に高まっています。特に欧州では普及が進んでおり、日本においても施工の省人化・効率化に向けた活用が期待されています。
チルトローテータは、油圧ショベルのアーム先端に取り付け、バケットなどのアタッチメントを左右に傾斜・360度回転させる装置です。道路・管工事や建築基礎工事、法面整形、障害物のある場所での整地など、さまざまな施工で活用されています。従来は、車体の移動や向きの変更が必要だった作業でも、アタッチメントの角度や向きを柔軟に変えることで、車体の移動を最小限に抑えながら、幅広い範囲で施工することができます。また、アタッチメントの交換を容易に行えるため、従来は着脱作業のために必要となることがあった補助作業者や専用車両を削減でき、施工の省人化やコスト低減にも寄与します。
一方、チルトローテータを装着すると、通常の油圧ショベルのブーム、アーム、バケット、旋回の4軸に、チルトとローテーションの動作が加わるため、6軸を組み合わせた、より複雑な操作が必要となります。そのため、チルトローテータを使いこなすには一定の習熟が求められます。
こうした操作の複雑さを軽減するため、コマツは、主要チルトローテータメーカであるRototilt社、Steelwrist社、Engcon社と協業し、各社製品をPC200i-12へ従来機よりも容易に装着するための仕様や、各社のチルトローテータとコマツ独自の3DMCとの連携を可能にするシステムを共同で開発しました。

【左から、Rototilt社、Steelwrist社、Engcon社のチルトローテータ】
さらに、コマツは、独自に培ってきた3DMC技術を活かし、車体とチルトローテータを連携して制御する独自機能を開発しました。チルトローテータに搭載したセンサから得られる情報をもとに、チルト、ローテーション、バケットの各動作を自動で制御することで、複数の操作を組み合わせる必要がある作業を支援します。一般的なチルトローテータ向け3DMC機能に加え、コマツ独自の機能として、設定したアタッチメントの姿勢(方向や角度)をボタン一つで保持する姿勢保持機能(*3)や、バケットでの掬い込みや排土などの際に、バケット操作に合わせてチルトとローテーションの動きを自動補正する機能(複合軸バケット操作アシスト)を開発(*4)しました。
これらの機能により、チルトローテータ装着時の複雑な操作を機械側で支援し、オペレータの操作負荷を軽減するとともに、より容易で高精度な施工を支援します。
コマツは今後も、ソフトウェアによって機能や性能を継続的に進化させるSDVの特長を生かし、チルトローテータをはじめとする各種アタッチメントとICT機能との連携を拡大していきます。高度な操作をより容易にすることで、建設現場の生産性向上と省人化に貢献していきます。
*1 ソフトウェアの更新により、機能や性能を柔軟にアップデート可能な車両。
*2 -3D施工機能を標準装備 お客さまと共に現場をよりスマートに- 新世代油圧ショベルPC200i-12を新発売 | ニュースルーム | コマツ 企業サイト
*3 姿勢保持機能:
従来、アタッチメントの姿勢(方向・角度)を保持しながら作業するには、チルト、ローテート、バケット、ブーム、アーム、旋回の6軸を組み合わせた操作が必要でした。本機能では、作業機レバーのボタンを押すことで、ブーム、アームと旋回の3軸のみの操作でアタッチメントの姿勢(方向・角度)を自動で保持でき、荷運びなどの作業を支援します。

*4 複合軸バケット操作アシスト:
従来、バケットの掬い込みや排土作業の際には、チルト、ローテート、バケットの3軸を組み合わせた操作が必要でした。本機能では、作業機レバーについている1つのスライダーを操作するだけで、チルトとローテートの動きを自動制御し、バケットの開口部を意図した方向に向けたまま、掬い込みや排土作業を行うことができます。これにより、建設現場で頻繁に行われる掬い込みや排土作業の操作負担を軽減します。