出発点は現場の課題
これまで鉱山や建設の仕事は、「現場にいること」が前提でした。機械を動かすには運転席に座り、問題に対応するには現場に足を運ぶ必要がある。――それが当たり前でした。しかしその裏には、長時間の移動、過酷な環境での作業、その仕事を担える人が限られるといった課題がありました。「今は以前にも増して、人を中心に考える時代になっています」とアルバーは語ります。
遠隔操作は、ひとつのイノベーションとして生まれたわけではありません。作業の制御を維持しながら、オペレーターや現場で働く人々が安全に作業するための対応策として発展してきました。この考え方自体は新しいものではなく、コマツでも長年にわたり遠隔操作に取り組んできました。ただし近年は、それを支える技術と必要性が大きく変化しています。アングロ・アメリカン社がブラジルで運営するミナス・リオ鉱山でも、課題は切実でした。
「通常はブルドーザーでの作業中は安全上の理由から発破作業を行うことができません」と鉱山サービスコーディネーターのカラロ氏は言います。つまり「人を危険な場所に配置せずに、作業を続けることはできないか」ということでした。