デジタルツインを活用することで、コマツの技術者は、機械が実際の現場で稼働する前の段階で不具合を回避し、より的確な判断を行っています。
大型建設機械の開発には、やり直しは簡単に許されません。不具合が発生した場合、時間や材料が無駄になるだけでなく、時には人命にかかわることもあります。そのため、新機種が現場稼働する前に技術者たちは最も過酷な条件下でその動作を検証しなければなりません。
では、設計段階でテストするには、どうすればよいのでしょうか。稲田孝治のような技術者にとって、その答えは「デジタルツイン」を活用することでした。デジタルツインとは、現実の機械や作業現場を仮想空間上に再現し、その中でテストや検証を行うことで、不具合の発見や改善につなげる技術です。

オーストラリア、ニューサウスウェールズ州サマーズビーにある生産拠点で稼働するコマツのロボット溶接機。

アメリカのある作業現場では、プロジェクトマネージャーが、コマツのデジタルツインを使ってリアルタイムに作業データを共有しています。現場の状況をどこからでも確認でき、「気づき」に活用しています。

コマツは月にショベルを送る計画を進めていますが、実現するためには、その機械が確実に稼働できることを証明するデジタルツインが必要になります。