DXが進んだ現場は、「密」のない現場だ。

DXが進んだ現場は、「密」のない現場だ。

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「デジタル化により、現場の全プロセスを遠隔管理できる」時代が、始まっている。
デジタルトランスフォーメーションによって生まれた「あるべき理想の現場」は、「密」のない現場になっていた。

ICTで現場の効率化・最適化が進む
危機を機会に、変わりゆく建設の世界

油圧ショベルの大きな作業機が休みなく動き、トラックが慌ただしく走り出ていく。建機を操作する人、その動きをサポートする人、作業を見守りながら計画の進捗を確認する人——。あらゆる場所で人が集まることをなるべく避けるよう望まれている現在も、建設現場では多大な労力が必要だ。そこで働く人たちの環境は、必然的に「密」になりやすい。

「私自身、最近は仕事の多くがリモートで滞りなく進んでいますし、このやり方でしかできないと思い込んでいたことが、意外にそうでもないと気付くことができました。今回の危機を契機として、建設業界もこれから大きく転換していくのかもしれません」。そう語るのは、コマツのスマートコンストラクション推進本部長を務める四家千佳史氏。スマートコンストラクションとは、建設生産プロセスに関わるあらゆる「モノ」のデータをICTでつなぎ、施工の最適化をはかるソリューションの総称だ。

刻々と変わる現場の状況をドローンで測量し、即座に3Dデータを作成する。関係者がオフィスでデータを見ながらシミュレーションし、想定される問題を事前に把握し、計画の変更が決まるとその指示が現場の建機に送られる。施工する範囲や掘る深さはICT建機の自動制御により、オペレーターの負担は少なく、補助作業員も不要。たとえばこうしたことを可能にするのが、スマートコンストラクションだ。

「今年の4月以降、現場作業員の数を減らして効率化できないか、現地事務所に人が集まることなく遠隔で進捗を確認できないかといった問い合わせが増えています」。さまざまな業界で今、従来の“ノーマル”な仕事のやり方を変えることを余儀なくされている。しかし建設業界にとってそれは逆風ではなく、あるべき理想の現場を実現するための追い風となるかもしれないと、前向きな姿勢だ。

施工の全てを可視化し遠隔管理を可能に
「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」

コマツがスマートコンストラクションに取り組むことを表明したのは2015年の1月。それから5年あまりが過ぎた今年3月には、国内の現場導入が1万件を超えた。現在はそのセカンドステップといえる「デジタルトランスフォーメーション(DX)・スマートコンストラクション」の導入もはじまり、現場の最適化はさらに加速している。

「我々は初め、個々の作業や建機の動きをICTの力で効率化する“縦”のデジタル化だけを考えていましたが、それではお客さまの課題解決に十分ではないことがわかってきました。建設作業のプロセス全体をプラットフォームで“横”につなぎます。高精細な現況地形の3Dデータを基にシミュレーションや施工計画作成など、お客さまご自身がリモートで 建設現場をデジタルツインで確認しながら協議し、計画の変更や進捗確認を画面上ですぐに行えるようにする。これによりDXの進んだ現場は、少ない人員や短い工期で、大きな成果を生むことを可能にします」

さらにコマツでは、将来的に複数の現場間をつないで最適なソリューションを実現する“奥”のデジタル化も視野に入れている。背景にあるのは建設業界の深刻な人手不足だ。「入職者の慢性的な減少と、長く現場を支えて来たベテランの高齢化で、近い将来この業界に人手が足りなくなることは確実です。しかし私たちは、そうした危機感だけでスマートコンストラクシンを進めているのではありません。建設業を若い人たちが働きたいと思える、かっこよくスマートな仕事にしたい。クリーンな工事を実現し、未来に豊かな環境を残したい。決してブレないのはそこだけです。私たちのつくるアプリもプラットフォームも、それを実現するための手段でしかありません」

建築の現場が軒並みストップした春先以降も、土木の現場は止まることなく動き続けていたという。都市計画において基盤となるインフラ整備は必ず土木作業からスタートする。コマツがめざす未来の現場は、私たちの社会を持続可能にするための鍵となるかもしれない。

施工のデジタルトランスフォーメーションを加速させ、
「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」の実現へ。

コマツの企業ロゴタイプの「T」の上にある四角形(上昇するスクエア)に込められているのは「飛躍」「挑戦」「Technology」であり、コマツのものづくりの精神を表したもの。
DX※の時代となっても、その精神は受け継がれ、技術へのこだわりが新たな価値やサービスを生み出していく。
そんな思いを込め、上昇するスクエアをDXにつけ、「あるべき理想の現場」の実現をめざすコマツのメッセージとしました。

  • DX(Digital transformation)
    デジタル技術を駆使した新しいサービスやビジネスモデルを創出し、働き方や生活、社会をより良いものに変革すること。

朝日新聞 2020年11月10日(火)
日本経済新聞 2020年11月10日(火)
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