コマツの強み

モノ作り競争力をはじめとする「強さの源泉」

コマツの経営の基本

コマツの経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することです。そしてその「企業価値」とは、 我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えています。信頼度を向上する ためには、企業の社会的責任を自覚して行動するとともに、「コーポレート・ガバナンスの充実」と「“ものづくり” 競争力の強化」に努めなくてはなりません。この考え方を基盤として、「ブランドマネジメント」を導入することに よって、コマツグループ社員が「企業の立場」から「お客さまの立場で考える」ように意識改革を図り、コマツグループ の体質強化と人材育成を進めていきます。

「モノ作り競争力」 -強さの源泉-

コマツは、製造現場だけでなく、研究開発、生産、販売、プロダクトサポートなどの全ての社内部門や、協力企業、代理店などバリューチェーンを構成するすべての部門・パートナーが一体となって行う活動を「モノ作り」と呼んでいます。

POINT 1現場力

社員がそれぞれの業務を自律的・継続的に改善し続けていく能力が「現場力」です。
コマツは長年にわたるTQM(総合的品質管理)活動を通して現場力を培い、モノ作り競争力を高めてきました。

POINT 2協力企業や代理店との強固なパートナーシップ

協力企業や、販売・サービスを担う代理店とコマツが価値観や理念を共有し、一体となって事業を推進しています。
日本国内においては、サプライヤーの組織「コマツみどり会」が、開発段階から商品力の向上に参画するだけでなく、コマツと一体になって人材育成を推進するなど、連携強化の中核として機能しています。海外においても、このようなサプライヤー組織化に積極的に取り組んでいます。

開発・生産における強み

エンジンや油圧機器など主要コンポーネントは、モノ作り競争力に優れた日本国内で自社開発し、鋳造工程を含め自社生産しています。これにより主要コンポーネントを設計の源流から見直して商品力を向上させるとともに、世界最高水準の品質・コスト・納期を織り込み、世界の本体組立工場に供給しています。

POINT 1マザー工場体制

本体の開発機能を有する組立工場を「マザー工場」と呼び、新機種の立ち上げやモデルチェンジ時には、開発・生産部門、サプライヤーが一体となって、徹底した品質・コスト・納期の「作り込み」を図ります。
マザー工場は同一機種を生産する「チャイルド工場」の「SLQDC」(S:安全、L:法律、Q:品質、D:納期、C:コスト)にも責任を持ち、製品のグローバルな安定供給だけでなく、モノ作り競争力の伝承に努めています。

建設・鉱山機械の生産拠点(車体工場)

地域別の生産拠点数

  米州 欧州・CIS アフリカ アジア・オセアニア 中国 日本 合計
本体工場

11

10

1

5

4

6

37

コンポーネント・部品工場

24

8

1

7

5

7

52

素材工場

1

0

0

2

2

1

6

合計

36

18

2

14

11

14

95

POINT 2フレキシブルなグローバル生産体制

需要や為替の変動、生産負荷の平準化などを勘案して最適地で生産し、クロスソーシングしています。主要コンポーネントを除く部品は、中国などのアジア諸国からコストと品質に優れた部品を調達し、全世界の工場に供給する体制をとっています。

【クロスソーシング】

  1. 同一機種を複数の工場で生産
  2. 需要・為替等市場の状況に応じ、最適な工場で生産

【建設機械・車両】連結売上高に占める海外生産高比率

販売・サービスにおける強み

POINT 1グローバルな販売・サービスネットワーク

世界148ヶ国を210代理店の代理店網が、全世界の需要地の99%(台数ベース)をカバーしています。
鉱山機械分野では、メーカーであるコマツと直営代理店が一体となり、お客さまに密着した販売・サービスを実施しています。

POINT 2ICT(KOMTRAX)の活用

コマツは業界に先駆けて建設・鉱山機械のICT化を推進してきました。
建機稼働管理システム「KOMTRAX」の搭載車輌は世界累計56万台以上に達し、得られた膨大な稼働情報をマーケティングやサービスに活用しています。
また、建設現場全体をICTで有機的につなぐ「スマートコンストラクション」を推進し、労働力不足やオペレータの高齢化など、建設現場の課題を解決に取り組んでいます。

POINT 3グローバルな人材育成

14カ国17拠点のトレーニングセンタを中心に、グローバルな人材育成に注力しています。
日本のトレーニングセンタをマザートレーニングセンタと位置づけ、全世界のトレーニングセンタをサポートしています。

POINT 4プロダクトサポート拠点

お客さまの建機の稼働を止めないために、部品の供給や修理・メンテナンス等を迅速に実施できる、グローバルなプロダクトサポート体制を構築しています。

(2020年3月末時点)

パーツセンター(部品供給拠点)

45拠点

トレーニングセンター(メカニックの技能教育)

17拠点

リマン・リビルド・センター(※)(エンジン等の主要コンポーネント加修・再生)

13拠点

  • リマン・リビルド
    エンジン・トランスミッション等の使用済みコンポーネントを消耗した部品の交換・補修により、新品同様に再販売するシステム。