モータースポーツが学校で火花を散らす


コマツのエンジニア2名が次世代の才能育成に貢献

イギリスのバートリーにある英国コマツで働くエンジニアのジェーン・ホジソンさんとキャサリン・マリンズさんは、2019年にF1 in Schools世界決勝大会の審査員としてアブダビへ赴きました。このイベントには、グランプリレースが開催されるヤス・マリーナサーキットでの活動も含まれていました。


ジェーン・ホジソンさんとキャサリン・マリンズさんは、若者にエンジニアリングの仕事に興味を持ってもらいたいと考え、地元の学校でのボランティア活動の機会を探しました。イギリスのダラム州バートリーにある英国コマツでエンジニアとして働く彼女たちは、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の人材不足が深刻化する中、会社からもSTEM教育の推進を奨励されていました。

「この分野について十分な知識がないというだけで、将来の仕事として選択肢から外している学生も中にはいるかもしれません。」とホジソンさんは述べています。マリンズさんは、「学生たちにエンジニアリングのさまざまな側面を見せて、世間にあるステレオタイプなイメージを一新したいと考えました。」と付け加えました。

この二人は「STEM Racing(旧称:F1 in Schools)」というプログラムと出会い、興味を持ちました。
1999年に設立され、近年名称を変更したこの団体は、モータースポーツを活用して、9歳から19歳までの若者にSTEM教育への関心を高めています。世界各地の参加校では、学生たちがグランプリ出場に向けてチームを立ち上げ、空気圧で走るミニチュアカーの設計、製造、テスト、マーケティング、レースまでを協力して行います。フォーミュラワンの各チームはこのプログラムを支援しており、イベントの主催や施設の提供も行っています。2024年には、64か国の28,000校から180万人以上の学生がこのプログラムに参加しました。

「どんなものか見に行ったら、本当に楽しいものでした。それ以来、私達は参加し続けています。
本当に素晴らしい体験で、私が学生の時にやってみたかったことです。」と、マリンズさんは述べています。

二人はまず、地域大会の審査から始めました。大会には異なる学校のチームが参加しています。それ以来、二人のボランティア活動は15年間にわたる取り組みへと成長し、英国国内の全国大会やアブダビでの世界決勝大会にも赴くようになりました。


キャサリン・マリンズさんは、2016年のワールドチャンピオンであり、11シーズンで23のグランプリ優勝を果たした元F1ドライバー、ニコ・ロズベルグ選手と共に写真に収まりました。
彼は2019年のF1 in Schools世界決勝大会(アブダビ)に出席した著名人の一人でした。

 

ジェーン・ホジソンさんは、2019年のF1 in Schools世界決勝大会(アブダビ)でチームのメンバーと交流しました。
彼女には審査員として、各チームの作品を評価するための基準が与えられています。


この15年間でマリンズさんとホジソンさんは、学生たちが成長し、技術を磨き、就職市場に羽ばたいていく様子を見守ってきました。
特に喜ばしいのは、多くの参加者が女性であることです。


女性の活躍の場を広げる


コンプライアンスエンジニアのホジソンさんとプランニングエンジニアのマリンズさんは、幼い頃から物の仕組みが大好きでしたが、その当時は女性の指導者に恵まれませんでした。
ホジソンさんとマリンズさんは、学業を続けて学位を取得する間、クラスに女性がほとんどいないのを感じていました。STEM Racingのボランティア活動は、そのギャップを解消するのにふさわしい方法でした。

「女性もこうした役割に挑戦できるということを理解してもらい、励ますことが特に重要だと思いました。」と、ホジソンさんは述べています。マリンズさんは、「女性もこの分野で十分に活躍できることを学生たちに示したかったし、少数派だからといって自分の望むキャリアを諦めるべきではないと伝えたいと考えています。」と述べています。

男女を問わず、多くの学生たちの熱意や意欲、そして取り組む姿勢は素晴らしく、心を動かされるものです。
このプログラムは本格的で、物理学、空気力学、デザイン、製造、ブランディング、グラフィック、マーケティング、広報、そして財務戦略について学ぶことが求められます。
同時にプレゼンテーション力や時間管理能力も身につけ、活動費をまかなうためのスポンサー資金も自分たちで集めるなどプロジェクト管理能力も養われます。学校によって異なりますが、こうした活動のほとんど、あるいはすべては通常の授業時間外に行われています。

モータースポーツの大きな魅力


コマツとアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングが、STEMを学ぶ若い学生を惹きつけ指導する新たな取り組みを始めると聞いたとき、ホジソンさんとマリンズさんにとってそれはごく自然な流れに思えました。この15年間の経験からホジソンさんとマリンズさんが学んだのは、フォーミュラワンが学生たちの関心を惹きつける極めて強力な手段だということです。

「その効果は絶大です。」と、マリンズさんは語ります。10歳の子どもたちに科学や技術、工学、数学の話をするのは、それだけでも意義のあることですが、超高速レーシングマシンの話をすれば、また別の反応が返ってきます。「そうすると子どもたちは『とてもカッコいいね。』と言ってくれます。大人も同じ反応をします。」

次世代のエンジニアを惹きつけ、育成することを目的としたコマツ-ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミーは、1月に初めての学生を迎え入れました。世界各国から選ばれた10人の若者たちは、4年間以上にわたってメンタリングを受け、個別に設計されたeラーニングに参加し、世界トップクラスの2つのエンジニアリングチームと関わる機会を得られます。また、コマツやアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングでのインターンシップや就職の優先的な機会も得られます。

ホジソンさんとマリンズさんは、アカデミーの今後の動きを注意深く見守っていきます。二人は、STEM Racingのイベントに参加した際、このアカデミーについての質問に答えることになるだろうと考えており、より多くの同僚が若者のSTEM教育支援に関わるきっかけになることを期待しています。

「学生たちと熱意を分かち合い、励まし、エンジニアリングについて話す機会を得ることは、とてもやりがいのあることです。」と、マリンズさんは述べています。


ジェーン・ホジソンさんは3月のF1 in Schoolsイギリス全国決勝大会で、初代コマツ-ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミーのメンバーであるザック・スミスさんと並んで写真に収まりました。

 


3月のF1 in Schoolsイギリス全国決勝大会では、チームが空気圧で動く車を競走させました。この大会は、グランプリウィークエンドの熱狂的な雰囲気を再現することを目的としています。

 


3月のF1 in Schoolsイギリス全国決勝大会の優勝者たちは、セレブのようにもてなされ、司会者が式典を取り仕切りました。上位優勝者はシンガポールへ渡り、世界決勝戦に出場します。