コマツの2名の技術者、アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングでレースへの情熱を再確認


2025年のフォーミュラ1 Crypto.comマイアミグランプリでは、元ドラッグレーサーと、子どもの頃からのF1ファンが、アトラシアン・ウィリアムズレーシングの名誉メンバーとしてモータースポーツを体験しました。

アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングのFW47カーのそばに立つ、ナショナルフィールドサービス部門のプロジェクトマネージャー、ジェニファー・イズベルとレベル3フィールドテクニシャンのロイ・ロドリゲス。ロドリゲスはモータースポーツを見て育ち、イズベルはドラッグレースに参加していた経験がありました。「デイ・イン・ザ・ライフ」の週末は彼らにとって、一生に一度の機会として馴染み深い場所に戻ることとなりました。


コマツのナショナルフィールドサービス部門のプロジェクトマネージャーであるジェニファー・イズベルは、スピードの世界にすっかり慣れていました。彼女自身だけでなく、子どもたちや元夫も、かつては皆ドラッグレースに参加していたのです。家族はディズニーランドのアトラクションにちなんで、自分たちのチームを「サンケン・トレジャー・レーシング」と呼んでいます。彼女はサーキットで、時速約173キロに達するスピードを出していました。

「特に予選レースのときは、とにかくワクワクして、胸が高鳴ります」と彼女は語ります。「激しくて、スピード感があって、気持ちが集中するんです。」

F1 Crypto.comマイアミグランプリ2025で、イズベルは「デイ・イン・ザ・ライフ」プログラムを通じて、短い時間ながら再びレースの世界に戻るチャンスを手にしました。このプログラムは、コマツの社員が本戦前の金曜日の練習走行で、アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングのピットクルーチームの仕事を間近で体験できるというものです。練習走行では、レースドライバーのアレックス・アルボンとカルロス・サインツに加えて、20人以上のピットストップクルーや、同数ほどのコントロールブースのスタッフも参加し、一連の練習やコース走行が行われます。これは、翌日の予選に向けてマシンの状態を最終確認する重要なセッションであり、機械的な微調整に加えて、タイヤ交換を3秒以内で完了させるためのチーム連携の練習の場にもなっています。F1のスピードはドラッグレースの2倍以上に達し、何周にもわたってレースが続きます。

「私たちは文字どおり、ピットクルーから60センチほどのところにいました。すべてを間近で見ることができましたし、場違いだと感じることもありませんでした」とイズベルは語ります。「皆さんと話せて本当に嬉しかったです。」

このプログラムには、同僚の現場技術者であるロイ・ロドリゲスも参加しました。ロドリゲスはF1を見て育ち、コマツが技術パートナーだった1990年代のウィリアムズを覚えていました。「デイ・イン・ザ・ライフ」への参加は、ロドリゲスにとって久しぶりにF1の世界に触れる機会となりました。マイアミへの渡航に先立ち、「かなり念入りに調べました」と彼は述べています。

「すべてがどれほど密接に関わっているか、そして1990年代から現在にかけてレース技術がどれほど進化しているかを知り、目を見張る思いでした」と彼は語ります。

「デイ・イン・ザ・ライフ」は、コマツの従業員でもごくわずかな人しか体験できない貴重な機会です。このプログラムは、世界で開催される24のレースのうちわずか8回のレースでのみ実施されます。各レースに参加できる従業員は、2名のみが選ばれます。「実際に経験した人がほとんどいないので、貴重な体験です」とイズベルは言います。ロドリゲスは、選ばれたときのことをこう語ります。「少し震えていました。まさか自分が選ばれるなんて信じられなくて、本当に驚きました。この機会にこの上なく胸を躍らせ、心から感謝しています。」

上司から選ばれたことを知らされた後、イズベルとロドリゲスはできる限りの準備を行いました。しかし、いくら準備を重ねても、この一生に一度の機会に備えるには不十分でした。「予想していたのとはまったく違う体験でした」とロドリゲスは語ります。「頭の中が真っ白になるほどの衝撃でした。会場全体の雰囲気や環境も素晴らしく、皆が全力で動きながらも、きちんと時間を割いて話をしてくれました。素晴らしい経験でした。もしまたコマツでこの機会があれば、迷わず参加します。」

アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングのマシンから送られてくるデータを監視するイズベルとロドリゲス。マシンデータの大量流入は、コマツで機械の稼働状況などを日常的に監視する技術者である彼らにとって、馴染み深い場面の1つでした。


イズベルとロドリゲスの両者がこの体験で特に印象に残ったのは、練習中に収集される膨大なデータの量であり、これはコマツでの仕事とよく似ていました。マシンのテレメトリーや稼働状況の情報は絶えず送られてきます。重量や技術要件は大きく異なるものの、ロドリゲスは少し現場にいるような感覚がありました。「ホールトラックでは、多くのデータ収集を行っています。例えば、計量器が正確か、サスペンションと連動したタイヤ圧が適正かを確認しています」と彼は説明します。「コマツでも圧力調整などが非常に細かくチューニングされており、アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングチームがデータを収集した後の作業に多くの共通点を感じました。」 「デイ・イン・ザ・ライフ」では、実際に少しだけ実作業も体験もしました。彼らは練習中にマシンをガレージに移動させることができたほか、モータースポーツの技術チームによる繊細な連携作業も間近で見学しました。

技術者の仕事に密着したのはその週末の金曜日のみでしたが、2人は日曜日の本戦グランプリまで滞在しました。レースはアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングチームにとって大きな成功となり、アレックス・アルボンが5位、カルロス・サインツが9位でフィニッシュし、チームに12ポイントをもたらしました。イズベルは振り返ります。「現場に到着して、思わずロイに『なぜこんなに人が多いの?』と言ってしまいました。金曜日はリラックスした状況だったからです。「通常のグランドスタンドに入ると、さらに活気と迫力に包まれます。パドックの外は中よりもずっと緊張感があります。」彼らはレースの舞台裏をラジオ中継で聞けたら良かったと述べました。

「大きなレースは驚きの連続でした…チーム全体がどのように連携しているかに感銘を受けました」とロドリゲスは語ります。彼は片方の目でレースを見つめ、もう片方はレースのアナウンサーが流れるラジオに釘付けになりながら、チーム同士がどのように連携してライバルに対抗しているかに注目していました。「特定のチームが互いに連携して他のチームをけん制しようとする声が聞こえます。攻撃と防御を同時に仕掛けているわけですが、それを同時に生で聞いて目にするのは非常に興味深かったです」と彼は言います。

体験を終えて、「デイ・イン・ザ・ライフ」の参加者2人は、アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングチームとの時間から多くのことを学びました。イズベルが学んだことの1つは、スポンサーの重要性でした。コマツはアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングの主要パートナーであり、このパートナーシップは、次世代の人材育成や協働といった両社の共通の価値観に重点を置いています。「レースにはファンとスポンサーという2つの要素があり、どちらが欠けても成功はありませんが、スポンサーシップの役割は何よりも重要です」とイズベルは言います。

またロドリゲスはアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングチームとの時間を通じて、協働の精神を間近で体感しました。「彼らはチームというよりも、もっと家族的な関係であることが伝わってきました。全員がお互いを尊重し合っています。皆がお互いに目を配り、絶えず助け合っています」と彼は語っています。ドライバーがメカニカルやエンジニアリングチームと連携する絆まで感じ取ったそうです。「誰もがまるで1つの家族のように強い絆で結ばれているのが感じられました。私は長期間大きなプロジェクトに取り組んでおり、私たちもまったく同じ姿勢で臨んでいます」と彼は語ります。「レースの現場で、まるで自分の仕事場と同じ様子を見ることができたのは驚きでした」このことは、コマツとアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングが、意欲、忍耐、協働、誠実さといった共通の精神を体現し、同じ文化を共有していることを示しています。この経験により、イズベルとロドリゲスはF1シーズンの残りにワクワクするとともに、今後のパートナーシップの発展が楽しみになりました。