車体開発:D475A-8

どでかい機械を設計したくて、コマツに決めた

T・U/ 1998年入社/工学部卒/所属部署(当時):開発本部 車両第二開発センタ ブルドーザ開発G
機械工学を専攻していたので、大きなプロジェクトに携われるような機械メーカーに入りたいと思っていました。

15年ぶりのフルモデルチェンジ。まさにゼロから開発がスタート

大規模な鉱山では、安全やコストの観点から、遠隔操作、自律運転へのニーズが急速に高まっています。およそ15年ぶりのフルモデルチェンジとなったD475A-8の開発では、遠隔操作や自立運転への対応はもちろん、排ガス規制クリアに加えて、競合機を凌駕する大幅な商品力強化が必要でした。そのためには、強大な応力を受け止めるメインフレームと作業機をはじめ、キャブ、各機器の配置、サスペンション機構、エンジン出力特性など、ほぼ全ての装置を一からやり直すことになりました。D475A-8は初号機がエストニアへ出荷され、その後、主要市場のオーストラリアと北米をはじめ、グローバルに拡販中です。苦労の甲斐があって、お客さまに大変好評を頂いてます。

プロジェクトの結果を問わず、ものづくりはやっぱり楽しい

以前、ロシア専用のパイプライン敷設用特殊車両を数年かけて開発した事がありましたが、なんと商品化と同時に市場がなくなってしまったことがありました。減速機、ウィンチドラム、油圧モーター、コントロールバルブ等、同時に開発した専用コンポーネントも後継機に採用されず、成功とは言い難いプロジェクトとなってしまいました。もちろん、世の中に送り出そうとした製品が販売につながらないことはさみしいですが、失敗から得ることもあります。開発時に得ることができた新しい知識や経験そしてものづくりの楽しさ。単なる失敗に留めずこれらを次につなげるように、ポジティブに考えることにしています。

開発した機械を自分の目で。次の開発に活かされる体験を

私が開発している鉱山機械は、なかなか実稼働現場を目にする機会がありませんが、不具合対応や各種調査でお客さまを訪問する際に、実稼働現場を目にする機会があります。お客さまの稼働現場を目の当たりにした時は、壮大な景観や大型の機械群、大規模な設備に圧倒されましたし、発破の瞬間に立ち会ったこともあります。普段の設計業務では決して得られないような経験と発見を得られることができますね。自分の開発した鉱山機械が、どのような現場で、どのように動いているのか自分の目で確かめることは、設計思想に現場の現実を落とし込むためにも、とても貴重な体験になっていると思います。