「中古機械」の簡便法の活用

掲載日:2026年3月13日

【セミナでのご質問】

私は会社の経理担当者です。
最近、メーカーが開催する「中古車(建設機械)の展示会」の案内を見ました。
以前、先生のセミナーで「中古の機械には”掘り出し物”があり、節税にも活用できる」という説明を聞いたことがあります。
そこで、当社の社長にも説明できるように、具体的な例を交えて教えて頂けないでしょうか。

【キド先生からの回答】

中古資産の耐用年数(減価償却を行う期間)は、原則として新品と同じ「法定耐用年数」を使用します。
しかし、中古資産については、会社の選択により次のような例外的な方法を使うこともできます。

  1. 見積りによる耐用年数
    その資産が実際に使用できる年数を見積もり、合理的な耐用年数を設定する方法です。
  2. 簡便法による耐用年数
    使用可能年数を見積もることが難しい場合には、次の計算式(簡便法)によって耐用年数を求めることができます。
法定耐用年数の全部を経過 法定耐用年数の一部を経過
その法定耐用年数の20% 未経過年数(法定耐用年数-経過年数)
+経過年数の20%

この方法を使うと、新品より短い耐用年数で償却できるため、減価償却費を早く計上できるという効果があります。

では、実際にどの程度の節税効果があるのか、具体例で見てみましょう。

■前提条件
総合工事業の会社が、9月決算で減価償却方法は定率法とし、10月に中古の油圧ショベルを500万円で購入したとします。この油圧ショベルの法定耐用年数は6年で、購入時点での経過年数は4年とします。

この場合、次の2つの方法で比較します。

(A)法定耐用年数(6年)で償却する場合
(B)簡便法による耐用年数(2年)で償却する場合
※簡便法の計算
(6年-4年)+(4年×20%)=2.8年 → 2年

■法人税負担の比較(単位:万円)

項  目 (A) (B)
① 令和7年9月決算での予想課税所得 1,000 1,000
② 当該設備の当期減価償却額 167 500
③ 課税所得 833 500
④ 法人税額 128 75
⑤ 法人税負担の軽減額   53
【キド先生のコメント】
中古資産に「簡便法」を適用すると、法定耐用年数よりも短い耐用年数で減価償却を行うことができます。その結果、減価償却費を早い段階で多く計上することができるため、当期の課税所得を抑えることができ、法人税の負担を軽減する効果が期待できます。
ただし、中古機械を購入する際には、単に価格が安いという点だけで判断するのではなく、作業能力や使用状況、今後の修理・メンテナンスの必要性なども含めて総合的に検討することが大切です。